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この本に興味をもってくださりありがとうございます! 【本作は】 “花”の短編集であり、 筆者:セーイ6 の自信作となります。 悦びや哀しみ、愛も憂いも、表す花一つ。 本当にたくさんの花が世界には咲いています。 その内のいくつかに魅力を借り受けつつ、 一つの物語に仕上げました。 全ての話はバラバラのようで繋がっていて、 誰かの人生の結末へと収束していきます。 このラストを読んだとき、 あなたは笑うでしょうか、涙するのでしょうか ーーーーーーーーーーーーーーーーー 花へ込められた想い“花言葉” ▷全ての花が“花言葉”という『使命』を背負っている。 ▶ひとつの花の持つ花言葉は、ひとつではない。 それぞれの花の持つ雰囲気を 言葉で表現することが出来たと思います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー ・夢と現実の狭間を行き来するような浮遊感 ・不安や葛藤、そして触れ合いによる安堵 ・きっともう一度読みたくなる最後の顛末 をお楽しみください。 ひと言ひと言に細心の注意を払い、 筆者の頭の中のイメージをそのまま作品にしました。 よければ腰を据えて、噛み締めるようにお読みください。 ▽ これからもたくさんの読みやすい短編集を本にしてお届けします! 新作の通知のため、ぜひ BOOTHのフォローをして 応援よろしくお願いします! また、割引キャンペーンやプレゼント企画の告知などもしますので、 SNSのフォローもよろしくお願いします! Ⅹ(旧Twitter):@say6novel 著者:セーイ6
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更にもう2話ぶん! noteかPDFで試し読み出来ます! note↓ https://note.com/say6novel/n/nc0b68264ad42 ------------------------------ 【七変化 -ランタナ- 】 月曜日、彼はスーツでやってくる。スーツにネクタイ、ピシリときめて、革靴も綺麗に磨かれ完璧に整っている。礼儀正しく落ち着いていて、それが少し堅苦しい笑。いつものコーヒーを注文し、商談までの時間を埋めている。その間だけ、横顔を眺めていられる。 それを知ってか知らずか、目が合えば優しく微笑む。そうして足早に、店を後にする。 「ご馳走様です。今日も美味しかった。」 火曜日、レトロなシャツやズボン、サスペンダーにハットを合わせて来店する。いつ見ても、季節に合わせたヴィンテージスタイルを着こなしている。昨日に比べてやや物静かで、いつも紅茶を頼む。本日のおすすめを、アイスで。読書をすると決めているようで、注文が届くのにも気がつかず熱心に集中しているときがある。以前、「紅茶はホットも美味しいですよ」とこちらから声をかけると、慌てていた。なんだか可愛らしい。 「あ、では次に、頼んでみます。」 水曜日、スカーフの似合う彼から、コートを預かる。エレガントで上品な装い。シンプルなタートルネックにスラックスを選んで。 彼はいつも、どこか寒そうにしている。 お気に入りのパンケーキを欠かさず注文し、どんなに店が混みあっていても、優雅に腰掛けている。そんな時は、こちらの様子に合わせて間をあけて呼びつけてくれる。余裕のある佇(たたず)まいに、どこか高貴を思わせる。 「それじゃあ店長、“いつもの”ね」 木曜日、彼は現れない。店の前の通りでスケートボードを仲間と楽しむ、そんな姿をたまに見かけた。オーバーサイズのパーカーに、ダメージジーンズ、スニーカー。いつもと違うストリート系のファッションも、似合ってしまうから不思議だ。男友達とはしゃぐ彼はどこか、女性を寄せ付けない印象があった。 仕事終わり、不良に絡まれた私を助けてくれたことがある。柄の悪い輩を追い払って、私を見る彼の瞳は、とても怯えた様子だった。 「もう、大丈夫だぞ」 金曜日、ジャージで朝から来店。ランニングシューズとキャップ、動きやすい服装。日課のように爽やかに汗をかき、店でひと息ついてゆく。注文は無添加の自家製サイダー。 汗を拭い終えたあたりで透明な炭酸が届く。 コップに朝日が弾ける。それがまたよく映える人だ。気持ちよいお日様のように、元気に喋ってくれる。どうやら今日は身体をリフレッシュするオフなのだとか。いつも頑張ってくれている身体へ、うちで過ごす時間もご褒美だといつか言ってくれていた。 「いやぁ、染み渡るね!」 土曜日、チケットを持ってやってくる彼。レザージャケットにブーツ、パンツにはチェーンが付いている。Tシャツにはバンド名、彼はそこでギターの担当をしている。正直、趣味が悪い。にもかかわらず妙に雰囲気のあるのは何故だろう。私の好みの問題とでもいうのだろうか。近くのライブハウスで最近人気らしい。華やかな女子を引き連れ、見送られながらやってくる。注文もせず、店長の目を盗んでチャラチャラと声をかけてくる。にやけ面(つら)した顔はやけに整っていて、ぶん殴りたくなるのだけれど、チケットを差し出すときいつも寂しそうな顔をする。だから私はつい受け取りながら、涙を拭ってしまうのだ。 「はい、絶対来なくていいから」 日曜日、彼はいない。街じゅうどこにも見当たらず、いない、世界のどこにも。彼は探している。自分自身を。探しても探しても見つからない。何も。ただ一つ分かること、それは彼の名前。確かめるように、いつも呟く。 「あぁ、僕の名前は、“ランタナ”」 ------------------------------ ここまで読んでいただきありがとうございます。 他にも多数の試し読みをご用意しております! お楽しみのうえ、良ければご購入をご検討ください!
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