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この本に興味をもってくださりありがとうございます! 【本作は】 ↓ “罪”をテーマにした《ショート×ショート》です 目次にズラリと並ぶ「罪」の数々。 人は間違いを犯すもの、世の中には罪が溢れています。 しかし、その一つ一つにはきっと物語があります。 そんな想いで「罪」に潜む“背景”の思索にふけってみました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 【罪を憎んで人を憎まず】 ▷罪を犯した人は、悪い人なのか? ▶どうして罪がそこへ生まれるのか? そんな問いを胸に、様々な視点の作品を収録! 貴方の考えを聞かせてください…! ーーーーーーーーーーーーーーーーー ①“罪”に潜む『物語』 ②罪が悪いのか、人が悪いのか ③貴方はその【罪】を赦しますか? そんなメッセージを、お楽しみいただけると思います! 一話完結で読み進めやすく、合間時間にオススメです! 通勤時間、休み時間、トイレやお風呂の中でも? 読書を始めるきっかけにも持ってこい! ぜひご検討ください^^ ▽ これからもたくさんの読みやすい短編集を本にしてお届けします! 新作の通知のため、ぜひ BOOTHのフォローをして 応援よろしくお願いします! また、割引キャンペーンやプレゼント企画の告知などもしますので、 SNSのフォローもよろしくお願いします! Ⅹ(旧Twitter):@say6novel 著者:セーイ6
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更にもう一話ぶん! noteかPDFで試し読み出来ます! note↓ https://note.com/say6novel/n/n6009960765e8 ------------------------------ 【巾着切り】 「それでは、今回は世界一のマジシャンへのインタビューです!」 司会がそう切り出すと、白い煙がモクモクとあがり、スタジオはざわつき始める。観客がパニックになる寸前を狙いすましたタイミングで、大きな笑い声と共に彼は登場する。 「ハーッハッハ! イッツⅯyマジック!」 仮面にマントの男、彼こそが世界一と名高いマジシャンだ。彼は登場の直後、間髪入れずに美女を引き連れ、大掛かりなマジックをいくつも披露した。その度にスタジオは驚きと賞賛の嵐が巻き起こり、誰もが時間を忘れてその全てに魅入られた。彼は世界一のマジシャン、その手腕を誰も疑うことはなかった。 「いやぁお疲れさまでした。えー、続いて」 彼がマジックを披露し終わると、司会が進行する。先のふれこみ通り、インタビューのコーナーだ。スタジオの盛り上がりも最高潮、彼にみな興味津々(きょうみしんしん)だ。さっそく最初の質問がされる。 「素晴らしいマジックでした。さて、世界一のマジシャンのあなたにとって、マジックで最も大事なことはなんでしょうか?」 たしかに、無難だが誰しも気になる質問から始まった。しかし、彼はこのいくらでも答えようのある質問を受け少し考えると、間をおいて神妙に話し始めた。 「私にとってそれは、“盗む”ことです。」 スタジオがどよめく、彼はそれに構わず真剣に続ける。 「私は幼い頃、貧乏暮らしでした。目も当てられないほど生活は苦しく、生まれたときには親はおらず、まるでスラムのような街で過ごしていたのです。」 「それは…本当ですか…?」 司会も彼の心中を察するように、慎重に聞き返す、誰も水を差すことをせず、真剣に彼の言葉へ耳を傾けている。彼は過去を思い出しながらゆっくりと語った。 「はい、怖い大人にこき使われ、手柄は横取りされ、その日食べるのにも困っていました。そして私はそんな街で、“盗む”ことを覚えたのです。」 スタジオの誰もが彼を不憫(ふびん)に思い、目に涙を浮かべた。世界一のマジシャンの壮絶な過去、涙なしには語れない。 「道(みち)行(ゆ)く人を物色(ぶっしょく)し、すれ違いざまに物を盗む。目を盗んで掠(かす)め取る。バレたらただじゃすまない、命がけです。」 「そうして巾着切りとして食い繋ぎ、しくじって捕まり、売られた先でも“盗み”を武器に生きてきた。気づけば日の当たる場所で、こんなにも恵まれている。」 マジシャンの仮面からキラリと何かが光る。 観客も次々と泣き崩れ、スタジオはしんみりとした空気で包まれだす。その瞬間。 「ハーッハッハ! イッツⅯyマジック!」 彼の決めゼリフが静寂(せいじゃく)を切り裂く。 堂々とポーズを決める立ち姿に、嫌でも注目が集まった。 「と、言うように“盗む”のですよ。皆さんの『心』をね!」 景気よくクラッカーが鳴り響き、みなこれが演出なのだと気付く。そして、冷えた空気がワッと再び再燃する。 「いやはや、なんとも心を掴むのが上手い!これが世界一のマジシャンたる所以(ゆえん)ですね」 司会もやっと調子を合わせる。その横でサッと、さりげなく涙を拭(ぬぐ)う彼。 彼は世界一のマジシャン。嘘で騙す事はしない。ただ“盗む”のが彼の流儀、今日もまた人の目を盗んだだけだ。 インタビューはまだまだ続く。彼は陽気に応え、ユーモアを交えながらマジックを披露してゆく。誰も気づかない。誰にも悟らせることせずに、彼は心の中、あの日の自分を思い出すのだった。 ------------------------------ ここまで読んでいただきありがとうございます。 他にも多数の試し読みをご用意しております! 少しでも気に入った作品あれば、続きのご購入をご検討くださると幸いです! 今後とも応援よろしくお願いいたします。
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