Dr.グリーンの見えない友達
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この本に興味をもってくださりありがとうございます! 【本作は】 ↓ “Dr.グリーン”という精神科医が、引きこもりの少年と対話をする短編小説です。 部屋へ引きこもってしまった少年と、 扉越しに様々な物語や実体験を話します。 Dr.グリーンが語る話はどれも、 読者と少年の心に小さな気づきを与えるでしょう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ◆本の魅力を紹介◆ ▷1話ごとに気づかされる、見落としがちで大事なこと ▶人生を好転させる、心の負担を軽くするようなDr.グリーンの言葉 あなたもきっと、少年に共感し Dr.グリーンの言葉に耳を傾けるようになるでしょう ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ①各話に潜む様々な教訓 ②人間関係における一つの視点 ③本音でぶつかる大切さ を、知るキッカケにもなります。 今、人付き合いに悩みのある方にもおすすめです。 また一話完結のショート×ショートとしてもお楽しみいただけます。 心の安らぎを求める日の夜に、この本を開いてみてくださいね。 もし何かあなたの心を解きほぐす発見があれば幸いです^^ ▽ これからもたくさんの読みやすい短編集を本にしてお届けします! 新作の通知のため、ぜひ BOOTHのフォローをして 応援よろしくお願いします! また、割引キャンペーンやプレゼント企画の告知などもしますので、 SNSのフォローもよろしくお願いします! Ⅹ(旧Twitter):@say6novel 著者:セーイ6
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更にもう一話ぶん! noteかPDFで試し読み出来ます! note↓ https://note.com/say6novel/n/ne0ffcb575be9 ------------------------------ 『世界で一番つまらない王様』 それじゃあ、勝手に話すとしようかな。 あぁ申し訳ない。僕の名前は『林(はやし) 緑(みどり)』、一部の患者からは『Dr.グリーン』なんて呼ばれているよ。もし、僕と言葉を交(か)わす気になってくれたら、話の途中にいつでも声をかけてくれて構わないからね。 今日はそうだな… “世界で一番つまらない王様” の話にしようか。 すまないね、せっかく君と出会ったからには先生も何もせずに帰りたくはないんだ。 もちろん、聞き流してくれていればいいよ。 さっそくだけれど、君が楽しめるといいな。 『世界で一番つまらない王様』 むかしむかしあるところに “世界で一番つまらない王様”がいました。 王様は国で一番わがままで、暮らしのすべてを家来(けらい)に任せ、遊んでばかりいました。 はじめは王様もそんな生活が嬉しく、楽しそうにしていましたが、日が経(た)つに連れて次第に「つまらない」と口にするようになりました。 国で一番のコックが料理を作っても 異国で最も流行りの服を着ても 吟遊詩人を招いて奇妙な話をいくら聞いても 「つまらない」と一言、つぶやくばかり。 料理を食べて、つぶやきます。 「つまらない」 服を着て、つぶやきます。 「つまらない」 面白い話を聞いて、つぶやきます。 「つまらない」 家来も国民も、王様の言葉に困るばかりで、返答に困ってしまいます。その様子を見て王様もまた「つまらない」と、ため息をつくばかり。毎日そんな繰り返しで、王様はいっこうに元気を取り戻しません。 「つまらない」「つまらない」とつぶやきながら、その日も王様は庭をぐるぐると散歩していました。 そこへ庭師の少年がやってきて言いました。 「王様、なにがつまらないの?」 王様は、うーんと唸(うな)ってつぶやきます。 「…つまらない」 それを見て少年は笑います。そして何を思ったのか、王様へ箒(ほうき)を手渡しました。 王様は驚いた様子で、箒(ほうき)を受け取ります。 少年は、 「それじゃあ、庭の掃除をお願いします!」 そう屈託(くったく)のない笑顔で言いました。 王様が困っていると、 「僕も掃除がつまらないんです。でも、王様はずーっとつまらないみたいだし、掃除をしてもおんなじでしょ?だから僕、王様の代わりに遊んできます!」 そう言って、少年は掃除を王様に押し付けていってしまいました。 王様はなんだかおかしいことになったと思いましたが、どうすることもできず掃除を始めます。もしかすると、掃除は楽しいことかもしれないなどと淡(あわ)く期待もしていました。 しばらくして掃除が終わるころ、遊び疲れた少年が戻ってきます。そして王様のもとへやってきて、尋(たず)ねました。 「ありがとう王様、掃除は楽しかった?」 王様は、少し首を傾げながら考えましたが、こう答えます。 「世界で一番つまらない」 少年は、心底つまらなさそうな王様を前に、笑います。 「わかる、僕も」 それは王様にとって、意外な答えでした。 「でも、今日は楽しかった。またね、王様」 パッと箒(ほうき)を受け取ると、少年は嬉しそうに走ってゆきました。 残された王様は、なんだかいつもと違う気分でした。 「そうか、わかるか…」 王様は少年の言葉を噛みしめて、泣きながら笑いました。 それ以来、 王様は庭をよく散歩するようになり。あまり「つまらない」と言わなくなったそうです。 だって、少年と会うのに、また掃除を押し付けられたら、たまったものではありませんから。 と、どうだったかな。 王様は、きっと話の分かる相手が欲しかったんだろうね。 どんなに美味しい食事も、美しい服も、面白い物語も、一人ぼっちじゃ「つまらない」。 そう感じていたのかもしれないと、僕はそう思うよ。 君は、どう思った? 「・・・」 うん、それじゃ、今日はこれくらいで。 また来るよ、次はもっと面白い話をしよう。 改めて、僕は『Dr.グリーン』。 これから、どうぞよろしく。 ------------------------------ ここまで読んでいただきありがとうございます。 他にも多数の試し読みをご用意しております! 少しでも気に入った作品あれば、続きのご購入をご検討くださると幸いです! 今後とも応援よろしくお願いいたします。
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