星を標に。
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サイズ:A5 形 体:コピー 頁 数:32頁(表紙込) 発行日:2014.12.28 病めるは昼の月、高遠和様との合同誌。【旅する二人】をテーマに1話ずつ書き下ろし。 いつかのあの人の笑みを、欠片でも良いから取り戻したいと願う、斎藤さんの話。
ゆきのはて
ふぅわり。ふぅわり。 落ちてくる雪に手を差し延べれば、微かに冷たさを伝えながら消えてゆく。 冬の間の小米雪は何時の間にか牡丹雪に変わり、ようやくこの京にも春が訪れる。 「…あんべ、わりぃか?」 不意に後ろからかけられた声に振り返れば、如何にも朴訥とした、人の良さそうな男が立っている。 「吉村さん、戻られたとこですか?」 「んだ」 頷くが、やはり気遣わしげにこちらを見つめたままの吉村に、斎藤は少し首を傾げる。 そう言えば先程の問いに対する答えをまだ返して居なかったか。 (以下本誌にて)
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