星離雨散
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サイズ:文庫判 形 体:オフセット 頁 数:164頁(表紙込) 発行日:2021.12.31 コピー誌にて発行した本を纏めた再録本。8話入り。試衛館時代、京、そして箱館に至る話を散りばめてますが、それぞれは独立した話です。
掌上明珠
ごろりと寝転がり天井を見つめる。 煤けて黒くなっているけれど、きちんと煤払いをしているから古びた感じはあまりしない。 むしろ風格が増したと思うのは、多少贔屓目はあるのだろうけれど。 幼い頃からよく転がり込んでいたこの佐藤の家は歳三の姉である、のぶの嫁ぎ先だ。 十人兄弟の一番下で早くに母を亡くした歳三にとって、のぶは姉であると同時に母の代わりのようなものだったから、嫁入りが決まったときはそれは大変だった。 『ほら、歳三もこっちきて姉様の白無垢、見てやんなさい』 『これ着たらおのぶさん、さぞや綺麗だろうなぁ』 親戚やら兄弟やらが口々に声を掛けてくるのを振り払って、ただひたすら薪を割っていた。 (以下、本誌にて)
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