夜雨対牀
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サイズ:A5 形 体:DL 頁 数:20頁(表紙込) 発行日:2022.1.16 大俱利伽羅×山姥切国広Webオンリーイベント『あんたと俺と』で初出のくりんば本です。 イラストなしの小説オンリー、審神者がかなり出張ります。 山姥切国広愛され系、こっそり甘めです。 ※イベント売り用に冊子版もあります。表紙デザインが異なりますが、内容は誤字訂正した以外は同じものです。 送料が高くつくので単独では販売しませんが、他のものとご注文頂ける場合、冊子版希望と書いていただければ同封いたします。
夜雨対牀
(前略) 窓を細く開けると、雨は子糠雨に変わっていた。このまま上がれば良いが、このまま降り続くようなら身体を冷やしてしまいそうだ。風呂を沸かしなおしておいてやった方が良いか。 今朝からの遠征はあと二時間ほどで終わる。皆が本丸に帰り着く頃に止んでいるかは微妙な処だ。 『行ってくる。土産は何が良い?』 薬研がそう聞いてきたので、皆、無事に帰ってくればそれで良いと返した。切国の旦那は、いつもそれだな。ま、適当に見繕ってくるから、楽しみにしてろよ、と手をひらひらさせて消えていった。薬研こそ、いつもそれじゃないか。 薬研、物吉、太郎太刀、蜻蛉切、膝丸、そして。 (先に、寝てろ) ちらりと視線を向ければ、音に出さずに口をそう動かして下瞼をすっと指でなぞって見せるのにどきりとする。顔は赤くなっていないと思うが、こんな、皆の前で、何をしてくれるんだ、あんたは。 (後略)
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